2025年10月18日、19日公益社団法人兵庫県建築士会主催のつながろうin但馬に浜坂支部からは3名が参加し、但馬地域に点在する建築・文化施設を巡る充実した二日間となった。
2日間で6カ所を見学した。
但馬各地の建築・文化施設を巡るなかで、2日目の皮切りとなったのは、かつて北前船の風待ち港として栄華を極めた新温泉町諸寄**のまち歩きです。
10月19日午前10時。我々建築士会一行は、2名のまち歩き観光ガイドさんの先導により、海風が残る諸寄漁港から歴史の深層へと足を踏み入れました。
信仰と意匠が交差する「為世永神社」
まず訪れたのは為世永神社。 建築専門家の目を引くのは、本殿の随所に施された精緻な彫刻です。ガイドの解説に耳を傾けながら、木組みの構造や、経年変化が生み出す木材の質感を詳細に観察しました。
ヘリテージマネジャーでもある副会町の解説を受け、本殿の細部を凝視する参加者たち。
廻船問屋の威容を伝える街並み
続いて一行は、**廻船問屋「中藤田」および「東藤田」**の邸宅へ。 今回は見学時間の都合上、外観のみの視察となりましたが、重厚な構えは当時の経済力の大きさを物語っています。 港町特有の敷地割や、通りに面した立面の構成は、現代の住宅設計にも通じる機能美を感じさせます。
往時の繁栄を今に伝える廻船問屋の建築。
船絵馬が語る海への祈り「八坂神社」
諸寄の建築探訪におけるハイライトの一つが八坂神社です。 社務所には、航海の安全を祈願して奉納された「船絵馬」が並びます。
正面および背面に施された龍や瑞鳥の彫作は、職人の技が結集した圧巻の仕上がりです。
見上げる角度によって表情を変える立体的な造形は、木造建築における装飾の重要性を再認識させてくれました。
土木遺産と寺院建築の共演
さらに歩を進め、龍満寺から諸寄駅周辺へ。

ここで我々を待ち受けていたのは、明治44年(1911年)の山陰西線開通当時に築かれたレンガ積の線路橋脚です。
100年以上の時を経てもなお現役で鉄道を支え続ける煉瓦造の力強さは、建築・土木技術の永続性を示す生きた教材と言えるでしょう。
結びに代えて

わずか1時間半という限られた時間でしたが、諸寄のまち歩きは、単なる観光の枠を超えた「建築文化の再発見」の場となりました。
港町の風土が育んだ意匠、そして明治の近代化を支えた構造物。これらを肌で感じることは、我々建築士にとって大きな刺激となりました。
つづく





